債務整理の成功報酬っていくら?お金がないのにどうやって払う?

債務整理の成功報酬っていくら?お金がないのにどうやって払う?

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2018.07.05

弁護士報酬は実はオープン価格、定価はありません

市など自治体が企画する、弁護士による相談会や定期相談では無料のものもあれば、30分5,000円というものもあります。何かの宣伝的な意味合いがあるものは無料ですが、毎週定期的に開催のような相談ではほとんどが30分5,000円程度の費用がかかるようです。しかし、これは相談するだけで特に何かをしてもらえる訳ではありません。悩みごとに対する方針や解決法のアドバイスをもらえるだけです。

その後正式に弁護士に業務を委託することになると、着手金が必要となり、最終結果に応じた成功報酬がかかるのが一般的です。しかもそれぞれに対して、実は定価というものが定まっていません。依頼事案の難易度にもよるという理由もありますが、弁護士の裁量で値段を決めることができます。

これでは、お金にゆとりのある人しか弁護士を頼めないということになってしまい、非常に不公平です。特に債務整理を考えているようなケースでは、借金の催促に終われ、それを少しずつ返済するだけでも必死です。それに加えて弁護士費用を捻出するなんてできそうもありません。TVCMでは、弁護士費用は、過払い金請求で戻ったお金の中から支払ってもらうので心配いらないといった宣伝を聞いたことがあります。

しかし、債務整理は過払い金が十分取り戻せるケースだけではありません。むしろ、それ以外の方が多いのではないでしょうか。債務整理についての弁護士費用の仕組み、そして金銭的なゆとりのない方をサポートするための「民事法律扶助制度」について紹介していきましょう。

債務整理の弁護士報酬の新ルール〜日本弁護士連合会

前項でも記したとおり、弁護士費用についての定価といったものはありません。しかし、債務整理と過払い金請求の取り扱いについて、一部弁護士で不適切な事件対応や報酬請求の事例があったとのことで、債務整理に関して報酬に関するルールを日本弁護士連合会が制定しました。2011年4月以降の債務整理事件に関しては、このルールに従った運用がされているそうです。

このルールでは、債務整理事件についての弁護士の対応についてのルールと、任意整理の報酬規制のルールが主要な内容になっています。例えば、債務整理に関する問い合わせや相談を、弁護士資格のない電話オペレーターの対応のみですませることや、任意整理事件そのものの解決をせずに成功報酬額が高く設定できる過払い金請求だけを担当するといった中途半端な対応をすることを禁じる内容になっています。

また、任意整理については、このケースの報酬上限は何%までといったルールが設定されており、弁護士報酬の目安の透明化に貢献するものとなっています。任意整理での弁護士の報酬には、着手金と報酬金の2種に分けることができますが、通常の任意整理事件で考えられる以外に、個別に名目を作って手数料を請求することを禁じています。(例えば管理手数料など)

また、報酬金の金額も、以下のような基準を定めています。

a.解決報酬金  1社あたり2万円以下が原則。商工ローンは5万円以下

b.減額報酬金  減額分の10%以下

c.過払金報酬金 訴訟によらない場合回収額の20%以下  訴訟による場合回収額の25%以下

(日本弁護士連合会HPより引用)

例えば、A社から70万円の借金があり、引き直し計算や交渉の結果50万円に減額されたとします。この場合、解決報酬金が2万円、減額が20万円の10%で2万円なので合計4万円ということになります。着手金は別ですが、報酬金額がわかりやすく統一されることは、お金が心配で債務整理に踏み切れない人にとっては、ありがたい話です。

法テラスの民事法律扶助制度

法テラスとは、法律による様々な問題解決の道案内となるべく設立された機関です。また、経済的な理由で専門家への依頼ができない人のための、民事法律扶助制度も実施しています。簡単にいえば、債務整理にかかる弁護士費用を法テラスが立て替えて払ってくれ、事件解決後に少しずつ返済していくことができます。

この制度は、弁護士の費用についても、あらかじめ価格が決められており、しかも通常価格よりも抑えて設定されているので、弁護士費用をかなり低く収めることができます。ただし、この扶助制度の利用には、収入と資産についての基準が決められており、本当は十分に自力で弁護士に依頼できる余裕があるのに、安くしたいので法テラス経由で弁護士を探す、といったことはできません。

あくまでも、経済的なゆとりがない方のための制度です。おおよその金額例を紹介しましょう。任意整理で債権者が5社なら、133,000円です。債権者数であらかじめ金額が決まっています。自己破産の場合は、152,600~298,657円と別途裁判所に支払う予納金がかかります。

金額に幅があるのは、管財事件という取り扱いになった場合に高くなります。予納金も管財事件になると、22万円くらいですが、そうでなければ15,000円くらいです。個人再生の場合は、再生委員が選出されるか否かで金額に幅が出てきます。また、処理の内容によっても幅が生じます。

197,000~359,000円と予納金の合計額が必要です。再生委員が選出された場合、予納金が22万円くらい、選出されなければ2万円程度でしょう。この代金を一旦法テラスが立替え払いし、解決後に5,000円程度の負担の少ない金額で分割払いすることができます。

直接弁護士とやりとりする際の支払い方法

法テラスは全国あちこちにありますが、利用しやすい場所にあるとは限りません。電話相談も受け付けていますが、直接のやりとりと異なり不便な場合もあるかと思います。もし、債務整理で評判のよい弁護士に直接依頼できるのであれば、その方が手っ取り早いということもいくらでもあるでしょう。

経済状態に不安があり、どのように弁護士費用を払えばいいのかが不安であれば、依頼したい債務整理案件と一緒に丸ごとそれも相談してみましょう。債務整理の相談に訪れる依頼者が、弁護士費用をポンと出せるなんてことがないことくらい、弁護士だって十分わかっています。きちんと、弁護士費用の支払い方も教えてくれます。

弁護士への支払いには、着手金と報酬金の2つがあり、着手金は成果に関わらず最初に支払うお金、報酬金は成果に応じて変動するお金です。ただし、債務整理の場合は、解決後に着手金と報酬金をまとめて払ってもよいとされています。これでまず着手金の心配は後回しにできます。次に報酬金ですが、これまで毎月支払っていた借金返済額を弁護士費用として積立して支払うことができます。

例えば5万円ずつ借金返済に支払っていたものを、3万円ずつ弁護士費用に積み立てるのなら、少し楽に貯めておけます。では、どうやって積み立てるのかというと、弁護士が受任してから解決するまでの期間に行います。弁護士が受任通知を債権者に送付すると、一時的に借金の取り立てが止まります。そして、解決までにはケースによりますが、半年〜1年弱という期間がかかります。

この間は借金の返済はしなくてもよいので、この間に弁護士費用を貯めてしまうのです。半年もあれば18万円貯まります。弁護士に依頼した案件がどのような解決の仕方になったかによって、最終的な支払額は変わります。20万円近い現金があれば、もし不足することがあってもわずかでしょう。それにその後の借金の返済が楽になっていれば、不足分の弁護士費用の支払いも楽になるはずです。

これは、シンプルなケースの例です。債務整理の方法や解決の結果によっては、不十分なケースもありますが、ほとんどの弁護士がこのような提案をし、経済的に苦しくても弁護士を利用できるように便宜を図ってくれます。悩むよりまず早めの相談、が借金問題には大切です。

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